花粉症について

2013年のスギ花粉の飛散

福岡地区のスギ花粉の飛散情報は(独行法)福岡病院で観測されています。
筑紫地区では甘木、夜須の方面からの飛散の影響が多いようです。 スギ花粉の飛散個数とは花粉測定器の1cm四方のなかに何個のスギ花粉があるかを示します。 症状は20個で軽症、60個で中等症、それ以上では重症になるといいます。個人差が大きく、体調にも大きな影響を受けます。
 
飛散開始は2月第1週くらいから飛び出しますが、雨が降ったり、雪や寒さによって、飛びにくくなります。数個から飛び出し、1週間ぐらいで最初のピークがあり、だんだん飛散個数が多くなり5、6回のピークがあり、消退していき、その後3月20日ごろよりヒノキ花粉の飛散が始まります。 

2013年 は大量飛散といわれています。
2004年 は飛散が少なく、 2005年 は1,2月が寒く飛散がなく 3/7 178
2006年2/16に131で始まり、 2007年は 2/8,13に107,1200個で始まり大量飛散。 
2008年は寒くピークでも179 、2009年 2/6,12に90、1438 2010年は中等度。
2011年は寒かった事もあり、18日頃より始まりましたが、久しぶりの大量飛散でした。

今年は昨年よりは3、4日早い感じみたいです。飛散開始後の1週間から10日くらいで本格化、ピークを迎えます。
西、東日本では3月上旬から中旬にかけて。北日本では4月上旬から中旬にかけてピークを迎えます。


ヒノキ花粉のピークや期間は?

スギ花粉のピーク後に桜の花が咲くころにヒノキ花粉が飛び始めて西、東日本では4月上旬から中旬に
かけて飛散のピークとなりそうです。
今回のスギ花粉は通常の3-7倍らしく脅威です。さらに今年の不安材料がPM2.5です。これは中国から
来る話題?の微小粒子状物質ですが、これがスギ花粉とくっつくことで悪玉花粉へと変化。
さらにアレルギー症状を悪化させるものとみられます。このPM2.5は髪の毛の太さの40分の1ということで
体内に入り込みやすく肺がんリスクが高まる。

花粉症の予防

花粉症の予防は飛散開始前から抗アレルギー剤を服用すると症状が軽くすむといいます、飛散後に起こる過敏性亢進を抑制する意義があります。
重症になられる方では開始予測日の1,2週前が望ましいといわれています。 
抗アレルギー剤には:抗ヒスタミン作用(眠気、口内乾燥感、注意力散漫のあるもの)
強弱、個人差があります( エバステル・アレジオン・サイザル・アレロックなど)
鼻閉症状に効果的なもの(オノン、バイナス)や咳に効果的(オノン、アイピーディ)などいろいろな特色があります。 
車の運転、受験生は注意!(アレグラ、クラリチン、オノンなどは眠気などなくてOK)
花粉が鼻や眼の粘膜に付着し、花粉がはじけ内容物(アレルゲン)が溶けだしアレルギー反応が起こります。アレルゲン暴露後30分以内に起きる反応(くしゃみ、はなみず、 鼻づまり)と数時間後におきる反応(鼻づまり)が花粉症の症状です。 

花粉症の治療

花粉症の治療は、まずはマスク・眼鏡などで花粉との接触をさけることです。
薬物治療では局所噴霧ステロイド剤(フルナーゼ、フルチカゾン、スカイロン、ナイスピー、ナゾネックス、アラミスト)は炎症細胞の活動を強く抑制し、即効性が期待できます。
ステロイドというと副作用を気にされる方もありますが局所噴霧剤はまず安心です。
但し風邪をひいたりして膿性鼻汁の時はやめて下さい。その時はザジテン点鼻液が良いでしょう。
 
症状のひどい時に飲む薬を処方しています。
抗ヒスタミン剤のゼスラン・セレスタミン(ステロイドとの合剤)です。
個人差がありますが倦怠感、眠気があります。前立腺肥大、緑内障の患者さんには使えません。 セレスタミンはよく効きますが、ステロイドが少量含まれていますので、症状のひどい時にしてください。
就寝前の服用が良いでしょう。半分に割って飲まれる方もあります。 (飛散のピーク時に飲めばいいと思います。)

子供さんには抗アレルギー剤の点鼻液(ザジテン、インタール)を使います。
 症状がひどいときには局所噴霧ステロイド剤(小児用フルナーゼ、ナイスピー)を使います
眼の症状は、コロコロから目の玉をほじくりたいほどかゆい方もおられます。
鼻の症状が取れれば眼のかゆみが起こらなくなることもあります、抗アレルギー剤の点眼液(インタール、クールウェイ、リザベン、リボスチンなど)は症状を出なくしたり、予防的に使えます。
眼の症状がひどく、セレスタミンの内服も効かないときは ステロイドの点眼剤(フルメトロン)があります。眼圧があがる方もおられますので眼科受診をおすすめします。外出から帰ったら洗眼もお奨めです。
漢方薬も飛散量が少ないときには効果的です。主に小青竜湯を用います。

早めに予防ができずに、眼をこすったり、鼻を強くかんでいた方は炎症が持続し、
眼や鼻の粘膜上皮細胞が荒れてしまい、粘膜の過敏性が亢進し、少量の花粉、タバコの煙、寒冷などの刺激によっても鼻症状がでます。
アレルギー性鼻炎で症状がとれにくいものは鼻閉です。
鼻がつまって苦しい方には血管収縮剤の点鼻液(トーク、トラマゾリン)を処方します。
習慣性があるので使い過ぎないようにして下さい。
鼻閉に対しては内服(オノン、バイナス)電気凝固、レーザー治療、鼻中隔彎曲矯正、肥厚性鼻炎などの手術が必要になることがあります。

* 花粉情報に注意し、飛散が多い(天気の良い,風が強い)日は外出を控えましょう。外出時にはマスク、めがねを着用。毛織物などのコートは避け、外出から帰ったら上着などは寝室に持ち込まないように玄関で花粉を落とします。室内に侵入した花粉は床にたまり、舞い上がります。こまめに掃除機、雑巾で除去して下さい。布団を干した時にも掃除機などで花粉を除去して下さい。就寝してからひどいことになります。

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